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「南岳山東長密寺」境内の植物②

2022年11月11日(金)
コラムニスト

東長密寺の境内に入りますと「福岡大仏」「各仏像」「五重塔」「黒田家墓所」等が目に入りますが、静かにあたりを見廻わしていますと各種の花々と樹々が私達はここで頑張っていますよと語りかけているようです。
10月中旬を過ぎますといよいよ紅葉が始まり、季節の移ろいが感じられます。

フヨウ(花)芙蓉
① 葵科、ハイビスカス属
② 開花時期8/1~10/5
③ 夏から秋まで淡い紅色の花を次々と咲かせる
④ 花は大輪で多数の雄しべがくっついて筒状になり、雌しべは雄しべから突き出る。
⑤ 全体に白い毛が多い
⑥ 葉は手の平形で縁にはぎざぎざがある
⑦ 大らかで清涼感あふれる花は和・洋どちらの庭にもよく合う
⑧ 日当たりの良い場所に植える
⑨ ピンク色の大型の花、枯れたあとの姿も印象的(枯れ芙蓉)である
⑩ 美しい人のたとえに用いられる
(参考)酔芙蓉
芙蓉とはほとんど同じ形の花だが、朝に開花した時は白花、夕方になるにつれて段々と赤くなる。酔っぱらって赤くなったということでこの名がつけられた。

トクサ
① トクサ科、トクサ属
② 本州中部地方より北に分布
③ 山間部や谷川の岸部などに自生している
④ 地下茎が横に広がり株は増えていく
⑤ 古くから山野草としても親しまれてきたシダ
⑥ 半日陰を好むところから和風の庭で利用される
⑦ 庭の下草や日当たりの悪い場所での植栽をよくみかける
⑧ 四方に倒れても成長を続ける不思議な形の物が増えているようです~細くてヒョロヒョロと
⑨ 同じ仲間
・ヒメドクサ~大きくならない、鉢植えもできる、寄せ植えもできる
・ツクシ(スギナ)

ジンチョウゲ(沈丁花)
① ジンチョウゲ科、ジンチョウゲ属
② 中国~ヒマラヤの原産で、室町時代の中ごろに渡来した。
③ 香りが「沈香」に、花が「丁字」に似ているので「沈丁花」と名づけられた。
④ 庭木として親しまれている。
⑤ 高さ1~2mの常緑低木。
⑥ 葉身は倒披針形で長さ6~8m、白から赤まで、中間の桃色、藤色と変化に富む。
⑦ 実がなる。
⑧ 香りが高く、漢名を「七里香」という

東長寺にお参りに来寺されたおり、五重塔や大師堂をお参りされた後にほんの少しでも植物達に目を移してみてください。
広葉樹は秋を迎える頃、樹上から水を落とし枝葉は離層から離れて落ち葉と化します。
ヒラヒラ、ユラユラと風にのってまるで親樹に別れを惜しむかのように舞い落ちる風情に目をとめてみて下さい。
樹々の中には紅葉することもなく落葉することもあり、何故急ぐのかと「不思議」に感じることもあります。
樹々も人間と同じようにはかない運命を背負って懸命に生きながらえてきたのでしょう。
一方、境内の針葉樹達は広葉樹達の季節の移ろいを知らんぷりしたかのように常と変わらず、きびしい冬に向かって凛として立ちつくしています。
最近「ソメイヨシノ」が春を待ちきれずに開花したというニュースが出ましたが、待っている「10月桜」が開花しましたという報道や山からの便りもまだ届いていません。「四方竹」の知らせも。
まもなく新しい落葉を踏んで歩く冬の山登りが待っています。
自然からの宛先のない贈り物を頂くのも楽しみのひとつです。

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