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東長寺の六角堂:本瓦行基葺に類似

2015年07月09日(木)
コラムニスト

九州において,本瓦行基葺は大分県国東半島の「蓮華山富貴寺(蕗寺)」にあるのみで,見学に行ってきました。

※国宝・蓮華山富貴寺(蕗寺)について
(大分県豊後高田市田染蕗2395)
四季折々に美しく表情を変えるみほとけの里,国東。六郷満山の中で,満山を統括した西叡山高山寺の末寺の一つ,天台宗に属しています。
寺伝によると,平安後期,養老2年(718年)仁聞(にんもん)菩薩(ぼさつ)の開基といわれ,浄土思想阿弥陀信仰全盛期の建立で,昔この地に高さ970丈もある榧(かや)の大木がありました。その影は数里を越え,朝は河内の塔御堂,夕には田原の釜割まで届いたそうです。
竹田番匠が,この榧の木の一木で大堂を造り,仏像を刻んだといいます。総素木(しらき)(榧)造りです。
国宝・富貴寺大堂は西国唯一の阿弥陀堂であり九州最古の和様建築物です。内陣中央には本尊阿弥陀如来坐像(重文)が安置され,堂内の壁画(重文)は平安三壁画の一つに数えられています。境内には国東塔,石殿,板碑,笠塔婆,仁王像,梵字石などが多数あります。三間四間(柱の間が三つと四つ)の建物で周囲に廻(まわり)縁(えん)があります。大面取りの方柱に舟肘木(ふなひじき)をのせ,その上に単層宝形(ほうぎょ)造りの屋根をのせ,行基瓦葺二重繁垂木(しげたるき)になっています。簡素な形,優美な屋根の線,それらがどっしりとした安定感を与えています。内部は板敷で,四天柱で内陣が区切られ,須彌壇(しゅみだん)の格狭間(こうざま)の線はふっくらと優しい形をしており,小組格天井(こぐみごうてんじょう)は端正です。

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