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コラム

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絵にかいた餅? いえいえ、絵に描いた箸です。

2017年01月04日(水)
コラムニスト

お正月にはお雑煮が欠かせない。我が家でも「博多雑煮」を元旦から3日間いただいている。博多雑煮といってもそれぞれ家により具材は少しずつ異なるようだが、私にとって博多雑煮は
「だし汁」は焼きあご・昆布・椎茸
「具材」は丸餅・鰤・かつお菜・里芋・牛蒡・椎茸・焼き豆腐など(エビや蒲鉾・かしわを入れる家庭もあるようだが、常に粗食のわが家ではこれで十分お御馳走なのだ。)

大事なことは澄まし汁が濁らないようにだし汁と具材は別々に準備し、お椀にもりつける時に一緒に入れる。このお雑煮を何十年もお正月に食べ続けてきた。しかも両親が健在だった15年程前までずっとお雑煮は「栗はい箸」で食べていた。栗の木の小枝で作ったお箸で大きさも不揃いでゆがんでいて、箸先をきちんと合わせるのが難しく、不器用な私は苦手だった。いつの間にか「栗はい箸」は「寿」と赤で書いてある紙袋に入った割り箸に代わってしまっている。

なぜ「栗はい箸」を使ったのかな? 博多のお箸専門の老舗「萬はし本店」のご主人によれば「今年もどうかやりくり-栗できますように」と願いを込めているのだそうだ。数年前までご主人自ら栗の木の枝を削ってお箸を作り、店頭に並べてあったという。今はない。
このお箸は博多や福岡独特の昔からの習慣だったがもはや消え失せてしまっている。
元旦の朝、思いついて「栗はい箸」を絵に描いてみた。我が家計、絵に描いたお箸にさえ、やりくりできるように祈っている!

 

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