やっと春らしい気候になった。市内の桜が一斉に3分咲きから5分咲きになり、満開の日も近いようだ。
所で福岡市美術館の常設展示室Cでは「日本画名品展」が開催されている。
ゆったりとした室内に入ると、横山大観・橋本関雪の「寒山拾得」に挟まれるように冨田溪仙の「御室の桜」が展示されている。絹本着色二曲二双屏風の淡いベージュ色の地に薄墨色のぼかしと種々の桜の花が見事に描かれている。市美所蔵品の中でもお宝に違いない。
桜の季節に展示をする粋な計らいもありがたい。
冨田溪仙は現在の博多区下川端で生まれた日本画家として知られている。
桜の下でお弁当とお酒というわけにはいかないが、静かに、そしてしみじみと郷土の画家の描いた桜を愛でるのもいいものだ。4月10日までの展示だそうだ。