中洲の南端の清流公園に高さおよそ10mの「博多町屋寄進高灯籠」があります。
博多誓文晴(せいもんばれ)の創始者として知られる漬物屋「金山堂」の八尋利兵衛(やひろりへい)が明治29年来、住吉から中洲付近まで開発し、川を埋め立て、桜や柳などを1000本も植え、東京の向島を模し、現在のキャナルシティ博多付近に遊園地「向島」を開園しました。
この高灯籠はその開園記念に明治33年に建設され、住吉神社に寄進されたものです。
その後、旧園地の市街地化により、昭和29年清流公園内の現在地に移されました。
灯籠の四面には、建設に協力した魚市場を中心に、町家の屋号や氏名、店舗の広告を灯籠に刻まれていて、当時の博多経済界を知る上で貴重な民俗資料となっています。
今回は、その内いくつかの企業をご紹介します。
八尋金山堂(誓文晴や大濠花火大会の礎を始めた八尋利兵衛氏の漬物屋)
岩田屋呉服店(岩田屋の前身)
紙小呉服店(今も続く老舗)
平助筆(日本で最も歴史の古い筆専門店・平助筆復古堂)
光安商店(博多の老舗 光安青霞園茶舗)
幸田時計舗(福岡で一番古い時計屋 山笠の時計係)
深見老舗(土居町にあった福岡藩の御用鋳物会社)
高取焼(筑前黒田藩御用窯)
他にも皆さんが知っているお店がたくさんあると思います。
時間のたっぷりある時に探してみてはいかがでしょうか。
オマケ
国体道路から清流公園にかけて、夜になるとカラフルなのれんを掲げたたくさんの屋台が並びますが、昼間は何もありません。屋台ごとの水道栓や電気メーターがあるだけです。
新型コロナウイルスの影響で少し寂しい屋台ですが、いつかまた活気を取り戻して、地元ファンのみならず、博多を訪れる観光客の方たちにもこの風物詩を楽しんで欲しいものです。
昼間の屋台
夜の屋台(2020年6月9日撮影)