福博の街中には、いろいろなアート作品が設置されています。企業や地元の各種団体が協力して
設置した200作品以上のパブリックアートが点在しています。
誰もが自由に行き交うことができる場所に芸術作品を設置し、街が個性的・魅力的になり、人々
の心が豊かになることを目的に「彫刻のあるまちづくり」が進められてきたようです。
パブリックアート(public art)とは、美術館やギャラリー以外の広場や道路や公園など公共
的な空間(パブリックスペース)に設置される芸術作品を指す。設置される空間の環境的特性や
周辺との関係性において、空間の魅力を高める役割をになう、公共空間を構成する一つの要素と
位置づけされる。記念碑的なものより、象徴的なもの、 コンセプチュアルなもの、建築の壁画、
音、風、光などを利用したものも含まれると定義されているようです。
その走りとなる作品が、博多駅前広場(博多口)にあります。
「着衣の横たわる母と子」ヘンリー・ムーア作品がそれです。1983年(昭和58年)に設置
され、三代目の駅舎時代からは設置形式も様変わりしましたが、公共空間を構成する一つの要素
と位置づけされ、空間の魅力を高める役割をになう”パブリック・アート”のシンボルでしょう。
博多駅前広場には、博多が生んだ天才絵師の西島伊三雄氏の「博多山笠」の横幅16mのレリー
フや、米治一氏制作の「黒田武士像」、安永良徳氏制作の「博多節舞姿」、藪内佐斗司氏の「金
かえる」と「縁結び七福童子」などが設置されています。
さらに、博多駅前通りに足を進めると、林立するオフィイスビルのなか、ひときわ目立つ赤茶色
のインド砂岩に覆われた”西日本シティ銀行・本店ビル”(磯崎新氏の設計)があり、その前に
はジョエル・シャピロ氏の「WALK」が設置されていまする。
この通りには、日本のモダン建築設計を代表する”丹下健三研究所”で、磯崎新氏とライバルで
もあった、黒川紀章氏設計の「損保ジャパン日本興亜福岡ビル」もあり、そのビル空間には多田
美波氏の「時空No3」が設置されています。
キャナル・シティ博多の方に足を延ばすと、イーストビル前には台湾出身の作家(ハン・イー氏)
の「福蛙(ラッキーフロッグ)」が出迎えてくれる。キャナルのビル内には、ビデオアートとい
う芸術を確立したアーティスト(ナム・ジュン・パイク氏)の作品があり、伊藤若冲の作品をモ
チーフとしたデジタル・アート(鳥獣花木図屏風・樹花鳥獣図屏風)も設置されています。
まだまだ、福博の街中には数多くのパブリックアートが点在しています。
自分の感性を磨ける、作品を含めた街中空間と対話をする”町歩き”を楽しむのはいかがですか。