博多では、〝福〟〝富久〟に因んで「フグ」と濁らず「フク」と発音します。
11月から翌年3月までがフク料理の美味しい季節。
花びらを敷き詰めたような飾り付けの〝フク刺し〟は、盛皿の文様が見える程に薄く引くのがポイント。
酢じょうゆに紅葉おろしで食べます。
フクちりは、身、あら口唇など昆布だしで炊き、野菜や豆腐などを入れます。
たれはフク刺しと同じ。残り汁に餅やうどんを入れたり、雑炊にして残らず賞味する冬の名物料理です。
また、フクは「冬の料理」というイメージがある一方、
フクが最も太って美味しくなるのは夏とも言われています。
フクは小骨も少なく、脂肪分が無いに等しいので野菜の旨味を邪魔することもなく、
鍋にしても脂が浮いてくることもありません。
旨味がスープに溶け込み、古くから夏の鍋の食材としても、もてはやされていたのではないでしょうか。