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「博多祇園山笠と懐中時計」???

2014年06月12日(木)
コラムニスト

いよいよ博多祇園山笠の季節になりました。
7月1日の「当番町のお汐井取り」に始まり、最終日15日の「追い山笠」まで全15日間にわたり博多のまちは祭り一色に染め上げられ、観光客や道行く人に本格的な夏が到来したことを知らせます。
元々は櫛田神社の奉納神事ですが、祭り期間中に市中で目にする「飾り山笠」はその絢爛豪華さで見る者を圧倒し、一方で疾走する勇壮な「舁き山笠」は沿道で見物する人達を身震いするほどの大きな感動の渦に巻きこんでいきます。
そんな中15日早朝の「追い山」に“登場する”のがタイトルにある「懐中時計」です。
「追い山」で時計が初めて使われたのは、1905(明治38)年の日露戦争の頃だそうです。それまでは櫛田神社に山笠が奉納される、いわゆる「櫛田入り」の時間がばらばらでしたが、それを5分間隔に調整するために計測のための時計が必要になったということです。
当時「中洲」にお店があった幸田時計店(現在は住吉)にこの話が突然持ち込まれ、以来その大役を今も務められています。
一番太鼓の音は、午前4時59分に博多市中に鳴り響きます。
「太鼓台」は、櫛田神社境内の御神木である大銀杏横の一段高いところに設置されますが、本番では太鼓をたたく神職のすぐ横で幸田さんの右手にしっかり懐中時計が握られています。
「四、三、二、一、・・・」、「撥(ばち)」を振り下ろした瞬間「ドーン!!」という太鼓を叩く音・・・間髪入れず「ヤッー!」という地響きにも似た集団の掛け声・・・ついに男衆に舁き上げられた重さ1トンもの「山」が怒涛のように動き出します。
3分前・・・30秒前・・・5秒前・・・マイクを通して私たちがよく耳にするあのアナウンスは、実は幸田さんの声です。
祭りの緊張がピークに達する「追い山笠の櫛田入り」の「計時係」を明治から今日まで、こうして幸田家により守り引き継がれてきたことにまず感動です。
5㎞先の「廻り止め」がある石村萬盛堂の2階でも幸田家の皆様がゴール地点での計測を務めておられます。
皆さん、今年の「櫛田入り」の際には、テレビでも現地でも構いませんが、またひとつ違った視点で追い山を楽しんで見ませんか?
オッツショイ! オイサッ! オイサッ! オイサッ! オイサッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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