博多の町から宝満山麓へ 大黒様の里帰りお引越し。
宝照院で博多ガイドの会研修がありました。
宝照院は宝満山の山伏が明治期に博多・冷泉町(当時は竹若番)北辰堂の住職となった頃から130年余り、町の厄除け祈願や辻祈祷を行ってきた由緒ある修験道の寺院です。 御本尊のひとつ、大黒天は天台宗開祖の最澄作と伝わり、宝満山の奥の院より移されたもの。 元々北辰堂は北極星・北斗七星を神として祀るお堂で、こちらも御本尊となっていて神仏習合の珍しい造りだそうです。
来年宝満山麓・竈門神社(最近鬼滅の刃で大人気)近くにお引越しする事となり、2021年12月2、3日の大黒天福迎祭は博多での最後のお祭りとなりました。
毎年この時に御開帳される大黒天さまは霊験あらたかと評判で、祈願者に小槌で福を授けて下さるそうです。
11月末、大岡ご住職のお話を聞く博多ガイドの会の研修を開催していただきました。
修験道の行者なので、町に住んでいても山での厳しい修業は欠かさず続けておられます。 腰につける縄の使い方や、辻祈祷の結界を張る場所の説明など2時間近く熱心にお話し下さり、皆も聞き入っていました。
ご住職がお寺横で経営されていた昭和レトロ喫茶店「タカラ」は10席ほどの小さなお店で、長年近隣の方やサラリーマンの憩いの場であったそうですが、お寺の引っ越しに伴い10月で閉店しました。
最終日は別れを惜しむ常連さんが引も切らず、9升炊いたごはんが足りなくなるほど!
皆に愛された風景がまたひとつ、博多の町から無くなるのは寂しいですね。