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博多の古墳

2020年10月08日(木)
コラムニスト

「博多部のど真ん中に古墳がありますよ」
こう言われると大概の人は「それって本当?初めて聞いた!」などの感想を持たれると思います。ところがビルが立ち並ぶ博多の街中に古墳時代に造られた古墳があるのです。

それは現在の祇園町交差点東側のビル建設用地から発見された前方後円墳です。1985年6月、「中世の遺物の中に埴輪が混じっている」と発掘現場から報告がありました。それから数日後、「前方後円墳が見つかった」と伝えられました。地表下1、2メートルに埋もれていたのです。出土した埴輪の形から五世紀初めごろにつくられた、と推定されました。推定全長60m以上の前方後円墳で博多1号墳と名付けられました。その規模と形態から大和朝廷と何らかの関係のある有力者の古墳と考えられています。
古墳があった場所には現在西鉄祇園ビルと博多セントラルビルが建てられており、まさかこのビルの下に古墳があったとはとても想像できません。また、現在の第14岡部ビル付近からも前方後円墳のものと見られる周溝が検出されました。

博多は中世以降に栄えた都市であると一般には思われています。確かに中世以降の博多の発展は目覚ましく、いたる所にその遺構が埋もれており、極端に言えばどこを掘っても何かの遺跡・遺物が出てきます。ビルの建設予定現場を通りかかると事前発掘作業が行われており、足を止めて覗き込んだ方もおられると思います。

しかしながら、博多は奴国以来2000年の歴史を持つ日本でも稀有な都市なのです。古墳の存在が示すように、古代から人々は連綿と砂丘の上に生活を営んで来たのです。その人々はどんなものを食し、どんな言葉を話し(もしかして古代の博多弁?)、何を信仰し何に祈っていたのでしょう。そんな事に思いを馳せながら長い秋の夜を過ごすのも一興かもしれません。

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