福岡の伝統工芸品の代表格であり、福岡県の無形文化財にも指定されています。
慶長五年(1600年)、福岡城築城の際、瓦職人・正木宗七が瓦用の粘土で人形を作り、藩主黒田長政に献上したものがはじまりとされています。その後、文政年間(1818年)に中ノ子吉兵衛の作り出した土俗素焼が博多人形の原型と言われています。
明治時代には、内国勧業博覧会やパリ万国博覧会に出品され、国内外から高い評価を受け、日本を代表する人形へと発展しました。
博多人形の種類は、美人もの、歌舞伎もの、能もの、風俗もの、童ものなど、バラエティに富んでいます。現在、100名近い人形師が、伝統を活かした作品を制作していますが、なかでも「能もの」については、表情や膝の角度など、熟練の技が要求されると言われています。