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Goodbye and Hello again 中洲大洋!

2024年03月19日(火)
コラムニスト

「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」(映画解説者:水野晴郎)
現在福岡市・中洲で唯一営業を続けている映画館「大洋映画劇場(以下中洲大洋)」が建物老朽化のため令和6年3月31日をもって78年の歴史に幕を降ろします。昭和21年に開館した中洲大洋はこの間の観客動員数は約2千百万人に上ります。

映画全盛期昭和32年頃の中洲には16もの映画館がありました。当時映画は娯楽の中心でした。その頃の映画館は今のような入れ替え制ではなく、何回でも一日中でも映画を楽しむことが出来ました。
中洲大洋での観客動員数の1位は「E.T」以下「ボディガード」、「ジョーズ」、「史上最大の作戦」、「タワーリングインフェルノ」と続きます。全部観た方もこのうちの何本かは観たという方もおられると思います。あなたはどの映画が一番印象に残っていますか?
ところで、中洲大洋と建物奥の通路で結ばれている大洋メディアホールというミニシアター風の試写室があるのをご存じですか?映画の映写方式は昔の35㎜フィルムを映写機でスクリーンに投映する方式から現在のデジタルデータをプロジェクターに入力して投映するデジタル・シネマ・パッケージ方式へと変わりました。実はこの貴重な35㎜フィルム用映写機が、大洋メディアホールに存在するのです。下がその写真です。(左:35㎜フィルム用映写機 右:デジタル・シネマ・パッケージ用映写機)
歴史を感じさせてくれますね。残念ですがこのホールも中洲大洋と運命を共にします。

 

3月31日まで「さよなら興業」も行われます。最終3日はオープニング第一弾で上映したチャップリンの作品でラストを飾ります。昭和を感じられる劇場として、長年にわたって映画ファンを楽しませてくれた中洲大洋にお別れの言葉を送ります。
「それでは次週(再開!)をご期待ください。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ…」(映画解説者:淀川長治)

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