国の文化審議会が令和3年7月16日に答申した登録有形文化財(建造物)に博多区吉塚の明光寺が選ばれました。
明光寺は南北朝時代の永徳年間(1381~1383)の開山とされる曹洞宗の寺院です。もとは博多の蓮池町にありましたが。1910年(明治43年)に市内電車が開通するときに現在地に移転しました。
今回登録有形文化財に選ばれたのは本堂、霊屋、禅堂です。
本堂と霊屋は1920年に火災で焼失しましたが、本堂は924年、霊屋は1926年に鉄筋コンクリート造りで再建されました。当時は木造が主流だったのですが、鉄筋コンクリート造りで日本の伝統様式が再建された寺院として歴史的価値があるとされました。禅堂は江戸後期の木造建築で焼失を免れ現在残っています。
〈本堂〉
〈禅堂〉 〈霊屋〉
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また境内には勤王歌人として有名な野村望東尼の墓碑や黒田長政公正室の榮姫(徳川家康の養女)の遺髪供養塔があります。時代は違えど勤王歌人と徳川家所縁のお姫様がご近所におられます。これも歴史の面白いところです。
〈野村望東尼の墓碑〉
〈榮姫遺髪供養塔〉
広い敷地内には他にも毘沙門堂・豊川稲荷舎・大師堂、三十三観音像・六地蔵などのたくさんの見所があります。また、近所には東光院もあり、ちょっと町中を離れての散歩はいかがですか。