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大浜の夏祭り(萬四郎神社の夏祭り)

2022年07月22日(金)
コラムニスト

毎年7月20日に開催されている「大浜の夏祭り」をご存じでしょうか?
旧 浜口町(福岡市博多区下呉服町1-28)にある「萬四郎神社」で行われている夏祭りです。
祭りの由来は、1667年におこった国禁の貿易をとがめられた黒田藩の御用商人である伊藤
小左衛門と、その家族、親族、番頭、手代に至るまで斬罪に処せられた事件が基になります。

その刑があまりにも醜いということで、なくなられた方々を供養することになり、刑死した
人を表立ってお祀りするわけにもいかず、5歳の三男・小四郎、四男・萬之助の名前をとって
「萬四郎様」と唱えたと伝わる祭りです。

黒田藩の豪商の一人に上り詰めた伊藤小左衛門は実在の人物であり、近松門左衛門の「博多小女
郎枕」のモデルともなった。筑前は木屋瀬宿に生まれ、類い希なる商才で「巨万の富」を築くだけ
でなく、最期は密貿易の罪により処刑されたことで、「悲劇の豪商」と伝わっています。

その罪状は、幕府の鎖国令に反した朝鮮との密貿易だったが、実情は黒田藩の裏ビジネスを支えて
いた可能性も捨てきれないとされています。幕藩体制の確立に伴い、江戸へ忠誠を誓う証として
「生け贄」にされたから、黒田藩(3代目藩主光之公)も黙認してきたのだと語られています。

博多に本店をおき、長崎に出店をもち、中国や朝鮮との交易を拡大していった伊藤小左衛門の業績は
博多が商人のまちとして発展した礎を作った人物だと思います。その人を忍び江戸時代から続くこの
祭りが継続されている大浜地区を散策するのはいかがでしょうか?

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