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めんたいこ

2015年03月02日(月)
コラムニスト

博多名物はいろいろありますが、味覚の代表選手といえば辛子めんたいこでしょう。大きな業界を形成している辛子めんたいこですが、昭和24年(1949年)に中洲市場の一軒のお店が売り出した惣菜だったのが始まりです。新聞広告で「中洲市場25軒を引揚者に」という入店募集に応募した「ふくや」の創業者の川原俊夫氏がはじめた物で、その頃の中洲は、昭和20年6月の大空襲で焼け野原のままで、周りに家などない環境からのスタートだったと記録されています。
地域に根ざした題材を扱った「博多座」さんが、舞台“めんたいぴりり”を公演するこの機会に、博多土産定番となった“めんたいこ”を見直してみると、そこまで普及させたのは川原氏の功績です。
川原氏は望むものには誰にでも製法を教えたこともあり、多くのめんたい業者が生まれ、博多でめんたいこ産業が発展することとなったようです。また、川原氏の地域への貢献も大きく、博多祇園山笠の中洲流の結成(昭和24年独立)に携わったことや、中洲まつりの開催、博多川の浄化、山笠のハワイ海外遠征の功績もあげられます。太っ腹の博多商人である彼の『無一文の引揚者を受け入れていただいて、中洲(博多)のお陰で今日になれた。ありがたかばい』という言葉通り、博多の町が名物“めんたいこ”を育てたのだろうと感じるのは私だけでしょうか。
博多ガイドの会は、”おいしい春まち歩き”の企画コースとして、3月9日から3月15日までの6日間に、「知っとうね?明太子発祥の地を歩こう」(料金¥1,500(ごはん付試食とお土産付・明太子¥1,080相当)の町歩きを案内していきます。博多もんなら、明太子の物語を知っておくのも、博(箔)がつくというものではないでしょうか。是非、ご参加ください。

 

 

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